南関以外の地方競馬を AI でカバーする理由

Stride AI のメインカバーは南関東 4 場(大井・川崎・船橋・浦和)ですが、実は 名古屋(愛知)と園田(兵庫) も毎日の予測対象に含めています。

「南関だけで十分じゃないの?」と思う人も多いですが、名古屋と園田には 南関では得られない構造的な美味しさ があり、一方で AI 攻略には南関とは違う種類の難しさもあります。

① 名古屋競馬場 — 2022 年に移転、データが「リセット」

名古屋競馬場は 2022 年 4 月 に長年使われた土古コース(名古屋市港区)から、JRA トレセン近郊の 弥富(やとみ)の新コース へ移転しました。

  • 旧土古: 一周約 1,180m / 直線約 194m(超小回り)
  • 新弥富: 一周約 1,290m / 直線約 240m(やや大きい)

たった 100m の違いですが、馬場特性は別物。土古は「先行決まり」だったのが、新コースでは差しも届くようになり、得意な馬のタイプが変わりました。

AI 視点

移転前後のデータは別の競馬場として扱うしかなく、Stride AI では 新弥富コースのレースに限定したサブモデル を別途学習しています。サンプル数が少ないぶん予測精度は南関より一段落ちますが、競合する予想家も同じ条件なので相対優位は維持できます。

主要重賞: 名古屋大賞典(交流 G3)、名古屋グランプリ(交流 G2)など。JRA 交流重賞では「JRA 馬への過大評価」が起きやすく、AI 視点では地元の地味な実力馬に妙味が残ります。

② 園田競馬場 — 国内最小級、浦和を超える「構造ゲー」

園田は コース 1 周約 1,051m、これは国内競馬場で最小クラス。前述の浦和(1,200m)より さらに小さい

  • 一周距離: 約 1,051m(国内最小級)
  • 直線距離: 約 213m(国内最短クラス)
  • コース幅: 狭い、開催: 平日デイ〜夜

直線がほぼ無く、コーナーがほぼ全て。当然レース展開はほぼ 1 パターンに収束し、「枠順 × スタート × 先行脚質」で 8 割決まります。

AI 視点

園田は 特徴量重要度ランキングで「枠順」が常に 1 位 に来る、極めて特殊な場。内枠 1-3 番の勝率が他枠の 2 倍以上、先行馬の勝率は他場の 1.6 倍です。「内枠 × 先行 × 同コース実績」の組み合わせを抽出するだけで相当の勝率が出る一方、外枠の差し馬は AI でも推奨せず見送ります。

主要重賞: 兵庫ジュニアグランプリ(交流 G2)、兵庫ゴールドトロフィー(兵庫 GT)など。

なぜ「南関より美味しい」と言えるのか

  1. 競合プロが極端に少ない名古屋・園田は予想を出す媒体がほぼゼロ。市場が「直感とイメージで買う一般購入者ばかり」という AI 最高の条件
  2. Favorite-Longshot Bias がさらに強い市場規模が小さい (1 日 2-4 億円規模) ほどバイアスが強くなり、中穴・大穴の期待値プラス余地が大きい
  3. 開催日が多い南関 + 名古屋 + 園田で月の運用可能日が 50 日近く。試行回数を稼げる

ただし難しさもある

  • サンプル数が少ない: 南関の半分以下のレース数で LightGBM の学習効率が落ちる
  • スクレイピングのバグが多い: netkeiba は南関最適化のため、地方独自の枠順表記等でパースエラーが起きる
  • 「常識」を作る情報源がない: 「この騎手は園田得意」みたいなドメイン知識を AI 開発者が自力で掘り出す必要がある

まとめ

  • 名古屋は 2022 年に移転、コース変更で過去データの扱いが難しい
  • 園田は国内最小級コース、浦和を超える「内枠先行ゲー」
  • 南関より 競合プロが少なく AI 優位が大きい
  • Stride AI は 南関 4 場 + 名古屋 + 園田 = 6 場体制 で長期運用

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